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ゲンロンスクールでの三ヶ月にわたったカオス*ラウンジの講義

ゲンロンスクールでの三ヶ月にわたったカオス*ラウンジの講義が終わった。最初の回は黒瀬さん中心のソシャゲを例に上げたプラットフォーム論。第二回目は自分が担当の、作品論。昨日やった第三回目は嘘君自身による作品論とポストポッパーズ、カオス*ラウンジの話、になる予定だったが黒瀬さんの話がだいぶ多くなった。最後に、初めて炎上と震災を踏まえた上での黒瀬さんがやってきたことのカオス*ラウンジに対することの本音が聞けた気がした。
カオス*ラウンジがやってきた展示は大小含めてたくさんあるが、大きく分けられて嘘君によるものと黒瀬さんによるものとに二つわけられる。黒瀬さんによる大きなカオス*ラウンジの展示として、カオス*ラウンジ2010 in 高橋コレクションや、カオス*イグザイルなどがあるわけだが、震災以降の展覧会に対して彼がどう考えているのか、ぶっちゃけまだ向かい合えていなかったということは最近直接口にしていて、やはりあれだけ大きな批判がや反発があった後で、正直に自分のやってきたことを肯定し続けることに、多少の戸惑いがあったのかもしれないに感じた。しかし、カオス*イグザイルは間違いなく黒瀬さんの作品だと言える展示だった。そして、すくなくとも、カオスの三人は最高の展覧会だと思ってたし、以前から長く観続けてくれていた人の多くもそう思っていてくれていた。それを具体的にあげて炎上と震災を重ねて語ることが不謹慎に見えても、そういう展示を作り、作品として発表した以上そこから地続きに、もしくは切断したとしても意義のある切断をしながら制作を、発表を続けるべきなのだ。もしそれが間違っていると思ったら、作家をやめるなり死ぬなりするだけだ。最後の回は、やってきた展示とこれからの展示に対する所信表明のようなものだったのかもしれない。作家として、個人として、昨日の黒瀬さんの言葉はなにより嬉しかった。もちろん嘘くんの作家らしい葛藤を踏まえた上での言葉も良かった。正直に、カオス*ラウンジをやってきてよかったと思った。これからもよろしく。まずは12月の展示の制作ですね‥

今回の講義で二回連続で来てくれた辛辣な質問者のように、我々を否定し続ける人もいるだろうが、まあお金を(2500円)払ってくれてわざわざ聴いて質問までしてくれる人に対してはそれなりに応えたいと思う。しかし揚げ足が目的な不毛な質問に対しては答える気はないし、批判自体が目的となってしまったような人は、再三言ってるがもう相手にしない。それはいつまでも平行線だし、無利益なことだろう。それよりも、自分は作品を作る時間を増やしたいと思う。ネット上で彼らがある程度のコミュニティを形成してカオスを批判し続けるのは別に勝手にやればいいだろうと思う。偏っているが、別にそれもひとつの意見の形だし後でみたら大変おもしろい判断材料になる。ただ、家の住所を調べたりポストを覗いたりストーカーのようなことをして盗撮するのは本当に勘弁してほしい。もう明確に言ったことだけど(http://umelabo.info/works/040/000.htmlを参照)、彼らと何らかの対話を試みるつもりはもう一切ない。「彼ら」の定義について色々突っ込んで「俺はそんなことやってない」とか「被害妄想」とか言うのはやめてほしい。我々にはあなたたちの知らないようなアンチの被害があるし、あなたたち個人個人がすべてどう異なって我々の活動に興味を持って行動しているのか、全てを把握しているわけではないし、そこまで知りたくない。

講義の内容の感想を書こうとおもった気持ちとは裏腹に、連続で質問しにきた方の話から派生してアンチに対する二次的な意見表明のようになってしまった‥
三回連続の講義は、一回目が40人以上来てなかなか盛り上がり、二回目と三回目は20人に届かないくらいでまあ、そんなに多くはなかった。でも、僕は内容にはかなり満足している。実際に来て聞いてくれた方にはかなりこちらの言葉が届いた実感があるし、残って話してくれた方との話も色々得るものがあった。三回全て来てくれ方も居て、本当に嬉しかった。出会いもあった。二回目と三回目で辛辣な質問をしてくれた方に対して、他の人はけっこう驚いていたみたいだけど、それもコンテンツとしてはかなり面白かったと思う。我々の活動や作品を決定的に快く思ってない人が居て、しっかりと会場まで足を運びに来てお金を払って質問をして、それを持ち帰ってtwitterでつぶやいてしっかりtogetterにまとめる人が居るのだ。承認欲求には様々な種類や形があるのだと驚かされる。ある種生きがいのようになっているのかもしれない。それは伝聞的に聞けばああそういう感じなんだ、と聞こえるくらいだけど、実際見るとやっぱりリアルティがある。アンチ、というか人によっては、熱心なファンにしか見えないだろう。カオスの展示やトークではそういうものも見れるかもしれないという特典がある。結構なことだ。
1~3回めは全てネットで映像のアーカイブが見れる。有料だが、どういう事が話されて、どういう事が起こったのか、会場の空気感がどれほど伝わるかはわかりませんが、気になる人は見てみるとよいのではないでしょうか。終わった後とかけっこうアットホームな感じでしたよ。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv156812009