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「誰も死なない」の世界展 トークショー 会田誠 × Mr.

カイカイキキギャラリーにて会田誠Mr.トークを聞く。

トークは七時までだったけど六時半ごろにはギャラリー内に会田誠や関係者らしき人が増えて一種異様な雰囲気に。
見間違いでなければ、國方真秀未も居た。
すごい好きな作家なので気が気じゃなかった。
会場内はMr.が監督した映画「誰も死なない」の絵コンテや撮影で使った衣装、キャラクターの部屋の再現が展示されていた。
ストレートに言うと女子中・高校生アイドルの使っていた衣服や部屋がそのまま展示されている感じだったので、まことに変態然としていたと思う。GEISAIミュージアム2でやっていた「Mr.の部屋」というのも再現展示されていて、Airクラナドkanonバンブーブレードもえたんひだまりスケッチなどのアニメのポスター、イラスト集やティーンズアイドルのポスターやらなにやら彼が愛するオタクグッズが凝縮されて陳列されていた。



「誰も死なない」公式サイト
http://nobodydies.jp/




画像はイメージです。


トーク会田誠の好きな日本酒を振舞いながら始まった。
二人とも緊張しているらしくつっかえつっかえ話していたがそれが温かみがあるというか、面白かった。
以下は完全に聞いた印象をそのままメモしたようなレポート。
確実に二人が喋ってた内容を伝えられてるとは限りませんのでご注意を。

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Mr.:実は最近このトークイベントのために会田さんについて随分勉強しました。
カイカイキキの人に色々資料もらったりして…
会田:笑

会田:自分はオタクではない。
ガロとか好きだったが、いわゆる目の大きな女の子の絵とかは描けなかった。
Mr.:会田さんは確かにオタクではないという印象を受けた。
鼻とかしっかり描いてるし、アニメや漫画の女の子の髪とは違う、固まりのある頭をちゃんと描くし。

会田:サルまん(サルでも描けるまんが教室)には随分学んだ。
自分の絵に対して「似てねーよ」とか書くノリとか。
Mr.:同人誌とかでコマの外に書かれるようなやつですね。
会田:なんか自我の崩壊が免れるらしい。

Mr.:会田さんと初めて会ったときは駅のホームの白線の所で、立って待ってるのに一人だけ座ってる人が居て、それが会田さんだった。声をかけたら、「ミュータント花子」の初版をくれた。

Mr.:チンポってなんでしたっけ?あと荻窪ビエンナーレとか…
会田:チンポムで、あと西荻ビエンナーレです。ちょっとづつ間違えてますねw

会田:この一階のMr.の展示と、カイカイキキの二階と三階のオフィスっぷりとのギャップがすごい。

会田:僕もカイカイキキもMr.も美術の世界でおおざっぱに同じようなカテゴリーに入れられるけど人生観とかは違うなーと思いましたね。

Mr.:あの裸の絵について聞かせてくださいよ。
会田:あれは他に描く人もいた。根本敬とか。
目の大きい女の子はこういう機会でもないと描けないなーと思って描いた。
アニメ雑誌、まあニュータイプとか適当にそん中からアニメの女の子っぽいのを選んで自分の中でミックスして描いた。
そのまま描いて著作権がどうのこのうの言われるとめんどくさいんで。
僕の絵の感じっていうのは「ミュータント花子」が素なんだと思う。
あれはストーリーはかなり真面目に頑張ったけど絵は本当に素直に描いた。
戦車とか資料見ないで戦車のイメージでそのまま描いたし。
小学生の頃手塚治虫に憧れて漫画セットとか買ってもらったけど鉄ペン、アレはどうも苦手だ。
「ミュータント花子」も鉄ペンの手前の下書きで終わってる感じだし。Gペンには心の傷があるね。
Mr.:僕もです。
会田:人生初の挫折だったかも。
小学校五、六?中二かな?そんでママに油絵の道具買ってもらうよう頼んでそこからおかしくなってきたわけだ。

Mr.:芸大受からなかったの未だに引きずっている。
会田:ちょうど昨日、芸代の油絵の講評行ってきたよ。三年の。
Mr.:ムサビも行ってらっしゃいましたよね?
会田:うん。まああんまり良くないね。
芸大、まあそりゃ普通よりいいけど、普通の美大と同じかそれより下くらいになってるような、あんま良くない。



Mr:「あぜ道」って作品、あの話しましょう
会田:あああれね
Mr.:オタクって日本っぽくないものを嫌うんですよ。
逆に言うと日本っぽいものに凄く惹かれる。軽トラとかも萌え要素ですから。
フルメタル・パニック? ふもっふ」という作品をご存知ですか?
会田:いや、知らないごめん
Mr.:ふもっふとか、Airとかもですけど、少女が田舎で、田園風景で、田んぼで、自転車に乗ってるだけで完全に萌えなんですよ。田んぼとか本当萌えます。「あぜ道」描かれたのって随分前ですけど会田さんはそこらへんから既にそういうことを計算していたのかなあと…
会田:どうだろうなあ…
Mr:田んぼ見るだけで泣きそうになります。
あと山田うどんで「山田うどんの歌」っていうのがあるんですけどそれ聞いただけでも泣きそうになりますね最近。
会田:そんなので泣いちゃうんだw
Mr.:泣いちゃいますね…
会田:「誰も死なない」で田んぼの風景とかあるけど絶対入れたくて入れただけでしょう
Mr.:まあ、はい
会田:「誰も死なない」でしほの涼ちゃんとかアイドルと仲良くなれた?
Mr.:実際会ってる時間はかなり少ないですよ。なんもないっすよ。「待ってー」って感じです。

会田:「誰も死なない」はやっぱ「誰も知らない」を意識してるんでしょ?僕は「誰も知らない」観てないんだけど。
Mr.:いや僕「誰も知らない」を知らないんですよ。
会田:えっ
Mr.:いや本当、2chでも「誰も死なないとか誰も知らないのパクりだろ」とか書かれてたんですけど、知らないんですよ
会田:それはすごい。

会田:ミスターって残虐なのやらないよね。
Mr.:できないですね。
会田:少女が苦しめられるのとかアウト?
Mr.:だんだん駄目ですね。そういうのすごい好きでしたけど。ロリータ治療塔というサイトがありまして、そこではロリコンっていうのは8〜14歳が対象の人のことで、まあそれ以下はペド、ペドフィリア扱いで、そこに書いてある文章読んでからはロリータはこうあるべきだみたいな考えが出きてきましたね。それはでは性的な対象として女の子を見てたけど、大切にしなきゃと思うようになりましたね。まあ性的な目線はなくなりませんけどね。

会田:宮崎進が死刑になったじゃない。
Mr.:ん、ええ、ああ。
会田:あれ違うか、宮崎進は画家だw 
宮崎駿、は違うか、宮崎勤!そう宮崎勤だ、死刑になった。あの変態の。まあどっちも変態か。
宮崎勤が死んで、俺とは違うとか思った?僕は思った。
Mr.:思いましたね。

会田:初潮は迎えてないと駄目だね。
Mr.:幼女描かないもんね会田さん。
会田:中学生からじゃない、僕は?
まああれよ、ルックスの話よ?6メートル以上離れて女の子を見ての話だよ?初潮は迎えてないとね。
僕はもともとNHKの大河ドラマとかの血なまぐさいシーンとかにドキドキしていてそういう残虐性とかに惹かれるようになったのかも。ロリとか女の子とかってよりかはクーデターとか好きだし。

Mr.:インターネットとかします?
会田:あんまり。必要最低限だね。調べものしたりするときに使うくらいで。
Mr.:死体サイトとか見てすごいトラウマになりました。

会田:ミスターは女の子に対する視線や姿勢が優しいから女の子に慕われてるんじゃないかなー。ほら「誰も死なない」のメイキングでも出演者の女の子みんな「監督が好きです」とか「かっこいいです」とか言ってるし…
Mr.:あれはいいところだけ切り取ってるんですって
会田:まあアイドルだしねー リップサービス的なところもあるかもしれないけどさ…
Mr.:優しさというか、壊したくないと思いますね。最初から最後まで変な気持ちはありましたけど。

会田:サバゲーとかもともとやってたの?
Mr.:いや勉強しました。そういう絵を描きたくてそのために。戦う少女とか、いいですよね。好きです。
会田:「戦う女」まで広げると世界中好きだろうね。「戦う少女」だと日本の変態って感じだけど。

会田:僕がもし「誰も死なない」みたいに女の子で映像取れたらフェイクでも切腹させちゃうなあ。
あくまで誰も死なないという優しさを突き通す変態というMr.の姿勢がなんだかとても参考になった。

会田:ほら、「誰も死なない」は女の子の内面とか描こうとしているじゃない。なんか喘息持ちの子とか居てさ。
Mr.:「青春」は描きたかったですね。映像で。
会田:乙女の心とか内面、まあ青春とかも俺だったらやらなかっただろうなあ。
内面だったら正直少女の内面より普通の大人の女の内面のほうが興味あるし。
6メートル離れて見る見た目に限定したところにしか少女には興味ないのかも。
だから少女にモテないのかなあ。見た目、ルックスにはその分すごい興味あるんだけど。

Mr.:「泣きゲー」とか聞いたことあります?
会田:?
Mr.:「To Heart」とかも聞いたことないですか?
まあエロいゲームなんですが、エロなのにすごく泣けるんですよ!もうボロボロ泣く。
まあAirとか、クラナドとか、Kanonとかあるんですけど…アニメ化とかしていくとどんどんエロが消えていくんですよね。
クラナドとか最初から全年齢だし。

Mr.:少女の心、内面は好きなんですもちろん、でも本物はしりたくない。
あこがれのまま追求することに今は集中している。

Mr.:「僕のアパート」という、自分お部屋に女の子がちょこんと座っているまあ妄想というか、そういう絵ですね。新潟の監禁事件あったじゃないですか。あれの少女がなぜ逃げなかったのかがすごい気になって。関連する本を四冊くらい読んだんですけどみんな肝心の結論だけ書いてないんですよね。すごい気になる。
会田:まあ被害者のプライバシーがあるからね…あれは真相がわかったらまずいもの。
Mr.:心の片隅では「所有したい」というのがある。僕はやんないし、やろうとも思わないけど。
会田:恋人いる?
Mr.:いないっすね。あこがれに集中したい。
恋愛とかもしたけど、いまはずーっといないですね。アニメで「この子いい!」とか思ったらそれを大切にしたい。
現実と一緒にしたら雑音というか、イメージが壊れちゃう。

Mr.:アニメとかで「空気系」というのがあって、それでいいと思ってる。絵は。事件もパンチラもなくて、ただ田んぼとかに女の子がいる、みたいな。
会田:ミスターなら知ってると思うんだけどさ、LOっていう雑誌あるじゃない。表紙がすごい綺麗な女の子の絵で中身がレイプとかでひどいエロいの。あれの表紙を集めたやつ、LO画集買った?僕は買ったんだけど。
Mr.:買いました。
会田:あの人巧いよねえー

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Mr.:パッと見の空気感がすごい。
会田:たかよしだっけ?
Mr.:たかみちです。
会田:2chの管理人みたいだね。あの、滝の絵を描いてるんだけどさ、スクール水着の女の子がいっぱい居るやつ。まだ今描いているんだけど。この画集とかの木漏れ日の表現とか参考にしなきゃなとか思ってる。

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この絵(Mr.の「ひろみとなうの夏」を指して)もたかみちみたいなことだよね。
女の子がそこにいればいいっていう正に。滝の絵では幸せそうな女の子が自由に居る。
最高のシチュエーション、自分にとってもっとも素晴らしいものを単純に描こうとしている。
自分にとって喜ばしいことは別に女の子の服をはぎとったりだとかそういうものではない。


Mr.:家族愛とかに憧れますね
会田:家族なんて憧れじゃないし萌えでもないよ…
Mr.:憧れにしたいから独りでいるのかも…

Mr.:同人誌とかで自分のキャラをエロい目にあわせたりとかはいつかやらねばいかんと思ってる。

Mr.:大きい女の人が好き。
かぼちゃワインとか、バレーボールのでかい女の人とか好きですね。ビルを越えるほどの女の人はちょっと駄目ですね…
会田:僕はすっごいちっちゃい人とか好きだなあ ロリとかじゃなくて、単純にちっちゃいの。
Mr.:夏帆とか石原さとみとかどうですか。
会田:僕はコメットさんに出てた大場久美子で人生最初のオナニーをしたんだけど、夏帆ちゃんはそれに似ているねえ。うん、この話はやめようか…まずいか…
Mr.:いや、どんどん、是非。
Mr.:ちょこッとSisterってアニメにでてくるちょこってキャラクターがいるんですけど、そのこと夏帆ちゃんがすごい似ているんですよ。外面的な似てるとかじゃなくて、言葉や絵に出来ない雰囲気がものすごく似ているんです。
会田:結局僕はNHKの朝ドラの主役になるような女の子が好きなんだなあ
Mr.:クラスで言うとあんま目立たないような?
会田:うん、つまりNHKのディレクターと同じような女性の趣味というか…
Mr.:クラスの役割で言うと学級
会田&Mr.:  委員長とか!!
Mr.:まあ僕は幼馴染ですけどね。朝とか起こされたい!
「早くおきなよーと遅刻するよー」「うるせーな先行ってろよー」
みたいな!
「先行ってろよ」とか言いたい。まあオリジナルを辿るとタッチとか、ね、まあ。

Mr.:うたたねひろゆきとか僕の中では北斎ですね。同人では超有名なんですけど。浮世絵師のようなイメージ。カウントダウンとかいう作品でご主人様がメイドの女の子の手足を切っていって最終的には目玉も取っちゃうんですけど知ってます?

ああ、知らないなあ。僕は早見純とか牧村みきとかアニメ顔というより80年代のエロ自販機本の頃くらいしか馴染みがない。この「犬」って絵は手足がない女の絵なわけだけど漫画とかとは関係ない。日本人の女の子の観光客がインドとかで旅行中につかまっちゃってしばらくしたら見世物小屋で手足切られて見つかったみたいなイメージです。それだけです。

会田:オオサンショウウオの作品は、まあ黒くてぬめぬめしてるのがすきなんですよね、単純に。ヤクザの真珠つけたちんこみたいで面白いじゃないですか。

会田:この世全体に興味があるから色々やっていきたい。

会田:ミスターってロリコン専門店みたいな感じだけど僕はそうじゃないからまあデニーズみたいなもんだよね。専門店を前にすると恐縮しちゃう。

Mr.:(表示された画像を指しながら)この画像は何度見ても良い。
何気にこれツンデレの要素とかもはいってますからね。皇室に萌え担当のコーディネーターが居るのかと。
会田:秋篠宮眞子様?まこさま良かったよね。
今は大分成長なされたようだけど…今は秋篠宮佳子だよね。かこ様やばいよ。いい。
Mr.:同人誌が出るくらいですからね。

Mr.:(表示された画像を指しながら)これが最新なんですよね。
僕の中で。ひだまりスケッチって言うんですけど。
会田:最新のは必ずチェックしてるの?
Mr.:最新の絵を取り込もうと思っているわけではないんですけど、今自分が良いと思っている画風にはしたいんですよね。
会田:こういうのでオナニーしたのは人生で10回くらいしかないなあ、ミスターは何でオナニーしてるの?
Mr.:まあ普通にビデオとかですかね…
会田:ああそうなんだ…

Mr.:喋るのが苦手ですいません
会田:いやこちらこそほんとに…まあ美術家なんて喋るのか苦手で当然でしょう。得意ならならないよ。隆さんは半分政治家みたいなもんだからあれだけど。



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この後時間が押していて最後にミスターがよつばとの恵那のフィギュアのすばらしさ、「小学生の女の子の足はカモシカのようで一見硬いけど触るとやわらかい、まあ触れないですけどね」などと話してトークは終わった。ミスターが最新のアニメに対して饒舌で会田さんがそれに対してあまり知らない感じが面白かった。
会田誠は少女の外面やルックス、Mr.は少女の内面について固執しているとはっきり示されたという意味では意義深いトークだったと思う。あと二人とも普通に変態で安心した。


Mr.本人と少し話をすることが出来た。作家になんとしてでも話しかけたいというより、秋篠宮眞子画像の話のところで、あれがニュース画像からキャプチャーした画像を2chの連中がコラで加工して髪型を変えて眼鏡を付けて作った画像だという話が出なかったので、それを是非話したかった。無事話せた。Mr.はその事をトークで話すべきだったと悔やんでいる様子だった。なんだか画像の話だけでいくらでも話せそうだった。


トークが終わった後一緒に偶然居た藤城嘘虎硬まつーんさんと一緒にジョナサンで夕飯を食べた。すごく珍しい組み合わせだと思う。会場にはちまゆさんも居た。全員twitterやってる。


参考
憧れのあの人は、どうやってあの仕事に就いたの!?会田誠
新潟少女監禁事件
http://piza.2ch.net/news2/kako/988/988538778.html
秋篠宮眞子様御画像保管庫
ひだまりスケッチX365 Opening
ひだまりスケッチの「ゆのっち」へラブレター書いた