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kazuki umezawa

メガピア2感想

メガピア行ってきた。
http://megapeer.net/

http://megapeer.net/image/flyer_omote01.jpg

メガピアがどういうものか知らない人にとっては今回の日記はまったく理解不能だと思うのであしからず。



メガピアは、最近良くも悪くも良くも相当なムーヴメントとなっている「同人音楽」を象徴するようなイベントだと把握していました。一回目は普通に行けなかったので二回目となる今回は絶対行くと気合入れてて行けたけどやばいかった。やばかった。
そもそもクラブって、人に付いていったり知り合いがVJやるからとかが理由で行ってた事しかなかったから自主的に行くっていうのは初めてでして。緊張していたけど、憧れていたアーティストの方が同じく空間で音楽を共にしているってそれだけで良いもんですね。色々吹き飛びました。

簡単な所感としては
・行って良かった
・狭い、人が多い
しょっぱなから流れた吉幾三×Capsule×DaftPunk×BeastieBoys StarrySky - IKZOLOGIC Remix -の衝撃
・2フロアだったので断腸の思いで見れないアーティストがいたのが本当に残念…
・「ゆっくりしていってね!」や「IKZO」は最早常識。
・有名どころのリミックスとしては「ウマウマ」が二曲、「もってけ!」が二曲、「魔理沙」が原曲含めて五、六曲もやられていた。ハルヒ関連はそういえばなかった。VJの素材としてちゅるやさんがちょこんと出ていたくらい。


全部書いてるとキリがないから印象に残ったものから書いていくと、やっぱりCOOL&CREATのビートまりおがすげーよかったし勝手に色々考えさせられた。
彼らの楽曲で「Help me, ERINNNNNN!」という東方アレンジの名曲があるんですが「えーりんえーりん!」って腕を振ってノる内容で歌が進むわけですよ。次にそれのAA、アスキーアートができたわけです。正確な順番はわからないけど。

    _  ∩
( ゚∀゚)彡 えーりんえーりん
 ⊂彡

            こんなの

でこのAAが2chやら何やらで流行って色んな「えーりんえーりん!」が派生して絵が描かれたりしてちょっとしたブームになって、ついにまりおさんがライブで曲をやるようになったから皆すごい勢いで腕を振るわけですよ。そんで皆オタクだから元ネタから派生したこのAAとか永琳(えいりん)の腕を振る絵とかが完全に脳内にインプットされてていざライブをやる時には即座に反応できる。というか俺が今日完全にそうでした。『あああの「えーりんえーりん!」を実際大人数でやってる!しかも本人(まりお)の目の前で!YABEEEEE』っていう妙な感動がありました。一番ネタとして広がりを見せているえーりんの AAがあったからこそ妙な一体感があったというか。不思議な感じでした。元がLIVE風の曲からまた一層盛り上がるってのもあるんでしょうが。

あとビートまりおは個人的な思い入れがあって。
高校の頃にBM98っていうパソコンでやる音ゲーにものっそいはまってまして。まりおさんはその時もかなり有名だったんですよ。ノリのいい、完成度の高い
ゲームアレンジを作る人としてBM98系の情報サイトとかでもかなり評判の良い人でした。まりおの「IOSYSの「ひれ伏せ愚民どもっ!」なんか正にそれだった。歌の内容はゲームの姫キャラがひたすら聴き手を罵倒し自分の高貴っぷりを歌い上げるような身もフタもないようなものっちゃあそうなんだけど、ニコニコとかではそれがすごく一体感を生んでいて、皆「姫様!姫様!」とか「足舐めたいです!」とか一緒になって書き込みまくってるわけですよ。「ひれ伏しなさい!」の歌詞のところでみんな「ははー。」とかコメントしちゃったりして。
まさか実際のライブでも皆ひれ伏すとは…。度肝を抜かれた。
腕を振り上げるのも精一杯なくらい満員のフロアの中で皆上半身曲げて「ありがたや」状態ですよ。もちろん俺も拝んだが。
これってもともと半分がギャグでやってるようなもんだと思ってた。蓬莱山輝夜って二次ではどちらかというと崇められるより虐められるキャラだし。でも皆実際平伏しちゃってるわけですよ。実際に。腰を曲げて。
あの縦ノリでもない何ノリでもない信仰ノリとでも言うべきノリはなんなんだろうと、拝んどいてなんだが本気で不思議に思う。自分を含む今日のメガピアの客はいったい何に対して拝んでいたんだろう。レポートをすっぽかして来ていた歌い手のmikoだろうか、またはスクリーンに大きく映し出されていた歌内の主役である輝夜だろうか。
多分そのどちらでもない気はする。(もちろんmikoあっての「ひれ伏せ愚民どもっ!」だし輝夜が欠けていては成り立たない。たまに春香とか眞子様になったりはするけど)。まだ確信を持って言えないけど、二次元の姫で非常にS寄りな美しいキャラを信仰するくらい愛し、しかも罵倒されたいという共通認識がオタクの間で確実にあって、「ひれ伏せ愚民どもっ!」で実際にliveで200人近い人間が信仰ノリという約束事を遵守し行動を共にすることでその共通認識が世間から相当な距離を置かれながらもリアリティを帯びつつあるのではないか。それを身をもって体感した心持ちだ。

そしてテクノウチさんとREDALiCEさんもやばかった。
歌あり生演奏ありとジャンルレスな同人音楽祭、メガピアだけど主催者のこの二人は流石正統派DJの力が感じられた気がするDJろくに見たことない俺が言うのもなんだが。
テクノウチさんのまずすごいところはあんま皆が知らないと思われるようなハードでコアな楽曲でも「声出してええ!!!」の一言とスクリーンに映し出された巨大な文字(「fuck」や「GOGOGOGO…」など)を提示する事で箱内を一瞬で一体化させてしまう所だと思った。よくわからない曲でもテンポが良くて皆で何かやる手がかりがあればいくらでも盛り上がる事ができる。特に皆、文字を介して動画を見つつ共有感を得る事はニコニコ動画で慣れっこだからよりノリやすかったのかと。
そこで乗せて乗せてKAMAITACHIと来て魔理沙の新リミックスときて最後にHELL SCAPERのリミックス!!!!わかる人にはわかる、この流れの素晴らしさが。なんというGABBAH。ビーマニ五鍵盤時代にハイスピード3でヘルスカパをやりまくった身としてはテクノウチサンの原点がそこにあるという事自体感動だ。映像も、実写のモアイ像が斜め前に移動しまくるという素晴らしいものだった。巧く言語化できないというやつだ。純粋にかっこよかった。一番脳を振った。ぜってーごっすんリミックス買う。
REDALiCEさんので一番聴きたかった「もってけ! セーラーふく」のあのリミックスがラスト前で待っていました!!という感じでやってくれたのが本当に嬉しかった。らきすたは誰でも楽しめるお気軽萌えアニメという安易な扱い方をされがちだけど、皆が一瞬で繋がれるという点ではもっと評価されるべきだと思う。だからこそトリの前であんなに盛り上がれたんだろうし。連続「グッジョブ!」
の部分は全員ジャンプしていて、あそこが正に最後直前にして体力のピーク
だったかもしれない。
そして最後の「taboo tears you up」、かのオーエンのリミックス。「もってけ」じゃなくてこれを最後に持ってきたのはシブいと個人的には思った。
一番皆が叫ぶであろう「三倍アイスクリィィィィム」の部分、カウントダウンで徐々に些最後のヒートを見せる場内、そして一番盛り上がるその瞬間、

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スクリーンには「ゆっくりしていってね!」の絵が!!!

もー何もかもわかってるんだなーって感じでした。おもしろさや脱力感を通り越して涙が頬をつつーっと。なんなんだろうこのイベントは。明らかに頭がおかしい、明らかに皆ゆっくりしていないのに、この絵ですべて理解できてしまう。やられた。最高だった。ありがとうと言いたかった。言った。


ちょっと(?)人数に対して会場きつかったとか、チケット競争率高すぎとか、フロア分けたのはどうなんだろうとか色々意見はあるっぽいですが、「mega」で「peer」な意味では大成功だったんじゃないでしょうか。同人音楽聴く人間なんて普通に生活してたらなかなか会えないし…
10年後20年後に語られるようなイベントになっていく予感させしました。
さらなる何かへ発展していくよう主催者の人たち応援してます。しかし疲れた。