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kazuki umezawa

電脳コイル 少女ファイト 世界の孫 ダブルアーツ

電脳コイル半分くらいまで観た

電脳コイル (1) 通常版電脳コイル (1) 通常版
折笠富美子.桑島法子.矢島晶子 磯光雄

バンダイビジュアル 2007-09-25
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子供の顔の表情の描写が面白い。かわいい子でもちゃんとぶさいくなゆがみ方をする。子供はたまに本当にぶさいくだからとても良い。
眼の描き方も面白い。なんか上まぶたの肉厚の重さ、つまり眼窩をちゃんと意識しているような線。横から観るアングルになるとちゃんと眼窩が盛り上がってるように見える。実際の人間の顔の造形を動きに特化したフラットな画でなるたけ表現した丁寧な絵作り。これと比べるとハルヒなんかは非常にアニメっぽい眼つくりだと思う。
あとイサコが人気な理由がわかった。
あと電脳コイル全般に渡って全体にかかっている薄いノイズみたいなじりじりエフェクトは仕様でなんかの意図なのかやっぱ。引き続き観る。

やましんさんという先輩の「Time waits for no one」という個展を観た。
http://www.mott-factory.com/gallery/index.htmlにて

失礼ながらぱっと見のイメージは地味とも言える写真なのだが、サイズや写っている内容を観ていくうちに作者の仕掛けている事、俗なイメージと写真的な写真なイメージの境目を突くような目的が垣間見える。そこが面白いなーと思って色んな人と会話しながらぼんやりみて、後日直接話したらなるほどそんな感じでより理解が出来た。
やましんさんが好きなアニメのイメージとかがより影響した写真を見たかったりするんだけど、モニタを複写とかやりすぎだろうか。

写真もとうぜんだけど写真家の人は本人の個性が気になってしまうのが常で、ちょい(?)オタっぷりな写真家というだけで個人的には気になってしまう。


世界の孫 1―Grandchild in the world-AMAMI- (1) (アフタヌーンKC)世界の孫 1―Grandchild in the world-AMAMI- (1) (アフタヌーンKC)
SABE

講談社 2006-09-22
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「世界の孫」のヒロイン甘栗甘水は変わってる。
文句なく可愛く萌えられるけど、普通の二次元の女の子みたいに欲情がしにくい。「孫」というジャンルなので性的な妄想にはつながり難いといえば当然なんだけど、「萌え」が安易にエロに直結してしまうキャラが溢れている中でこういったキャラクターは珍しい。
「家族愛」をテーマにしていて一部で話題沸騰のベイビープリンセスもそういう意味では気になるけど、実際には二歳児だろうが0歳児だろうがキャラの方向性によっては簡単に欲情できてしまう。オタクは。実際そういう画像はもういくつもあるわけで。
二次元におけるかわいさ、その先にあるイメージの中での情欲、それらどちらでもない親愛な愛(何度も言うが、二次元における)を追求し得る可能性を「世界の孫」は持っていたんじゃないかと勝手に思っていたが三巻で終わってしまった。しかもけっこう綺麗に終わらせやがってSABEめ。

阿佐谷腐れ酢学園が欲しい。


ミスミソウ 1 (1) (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)ミスミソウ 1 (1) (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)
押切 蓮介

ぶんか社 2008-03-17
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幸せを描いといてぶちこわすタイプのいじめ描写は本当に悪趣味だがゾクゾクくる。
「田舎に住んでいる綺麗な女の子がいじめられる」という設定だけだとありきたりな気もするが、巨大なゴミ捨て場みたいな場所やシリアス押切の描く眼や体のぐらぐらした線の描写が恐怖を伴った迫真さを与えている。
一巻の終わりでヒロイン春花のヤバくなってしまった表情がようやく描かれる。そこに至るまで春花は精神を保っていたが巻の終わりで待ってましたとばかりに読み手に迫る。このキャラの魅力はヤンデレという括りで見るならば竜宮レナに匹敵する。

■「少女ファイト」四巻
少女ファイト 4 (4) (イブニングKCDX)少女ファイト 4 (4) (イブニングKCDX)
日本橋 ヨヲコ

講談社 2008-04-23
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日本橋ヨヲコとスポ魂の組み合わせの脅威が遺憾なく発揮されている。
キャラ数が過去作品より大いので読むのにけっこう体力を使う。その分感情の錯綜とそれぞれのキャラ立ちを把握する快楽が随一。大ゴマでばっちり魅せるのはもちろん、付近のコマで裏の感情を表現するという流れがキャプテンの表情から見られて、作者がキャラクターとコマの隅々にまで気を張り詰めさせて描いているのだなあと実感させられる。
あとこの巻はニヤニヤ度が異常だ!!

■ ジャンプの新しめの連載漫画「ダブルアーツ」は「手に触れてなくちゃ消えちゃう」的な設定が「ICO」や「トランスルーセント彼女は半透明」を髣髴させていい感じ。なんかガンガンっぽい。それと若いジャンプ節が合わさったときどうなるのかというのが見ごろ。
「ジャンプ節」というのはワンピースに代表されるようなカッコつけや威張りをガツーンと漫画で言う感じ、というのが自分の中であるんだけど、ダブルアーツは控えめな絵と相まってあんまり主張主張していない点も好感が持てる。
バトル展開は避けられないだろうが様々な異能力で激しくぶつかり合う展開はこの設定の場合勘弁してほしい。せっかく物語の主題となってる素晴らしい異能力があるんだからそれを主軸にして展開していってほしい。ICO的に進むなら「二人の手が触れてるから発動する技」とか「触れる部分が多い程強力になる技」とかあればバトルでも主題からずれずに展開できるかも。


「随所にやりつくされた要素を一周回った後に敢えてやっているというメタな視点」
http://aiba.livedoor.biz/archives/51322810.html

「このブログはダブルアーツを応援します」
http://fullpa.net/blog/archives/2008/03/27/post_277/


村上隆のフィギュアが付いてくる号の美術手帳に
「身体というイメージは拡散し、多様化し、流動的になっているのかもしれないけど、モノとしての身体はますます技術的に特定されるようになっている」

「現時点のロボットは老人のようなものだ。転んだら終わりだし、ちょっと高い段差も登れない。」

「次元を一度落とさないと出てこない想像力をもう一度元の次元に戻すという、次元間往復によって発生する歪んだリアリティがフィギアの魅力。」

「ネットという新たな現実空間に身体が晒されている環境の変化に、人の意識は追いついていない。多くのアーティストはそのギャップを埋めるために新たな身体観や人間像を模索している」

清涼院流水舞城王太郎西尾維新など、新本格以降の作家にとって身体は純粋にモノ」

など色々興味深い事項が載っていた。いやちょっと自分なりのアレンジが文章に加わっているかも。とにかく身体と虚構のイメージは重要。画像が好きな理由でもある。

ニコニコ動画で狂ったように増殖、改変、リミックスされているミク、ドナルド、キーボードクラッシャー、つかさ等のキャラはモダンで言う身体からは遠い遥か彼方の地平にいると言える。
今の中高生はそれらを超自然に受け入れている。彼らが「ゆとり」と人括りにされる理由のひとつである。

■「父はストリップが大好きだったから」 息子が葬式にストリッパー呼んで躍らせる
http://guideline.livedoor.biz/archives/51049709.html

ここのコメント欄の「葬式でHDDの中のjpgを全部スライドショーで流す」という発想は、身体と画像の一体化を夢見て果たせなかった未来の自分を想起させてなかなかに示唆に富んでいる、と勝手に思わされた。

■百合系で萌えてしまうんだが・・・
http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-317.html

完全に「2chスイーツ(笑)」とでも言うべきスレなんだが、わりと変な文章があって気になった。

「心臓の高鳴りアゲイン。某、とても緊急事態だった。」

なんて心理描写普通に文章書いてる人間では考えられないぞ。文学界から正反対の位置に居て川上未映子並みのとがった表現をしていると言ったら言い過ぎか。
某(それがし)には普通に萌えたわけだが。

ライトノベルケータイ小説2ch文学は並行してもっと語られるべき。
(笑)は書き手のお好みで添えるといい。